もう会えない君へ
思い返してみれば
ずいぶん君に助けてもらった。
試合に負けて泣いていたときも
壁にぶち当たって自分を見失ったときも
いつも、支えてくれたのは君だった。
ケンカして酷いことを言っても
素直に謝れなくて意地をはっても
いつも、僕の気持ちをわかってくれた。
素直じゃない僕だから
君に言いそびれたことが一杯ある。
わがままで、ごめん。
いじっぱりで、ごめん。
ありがとう、いつも傍にいてくれて。
ありがとう、こんな僕を好きになってくれて。
理屈をこねるのは得意だけど
簡単な事を伝えるのって、案外難しいね。
僕がいないとダメな君だから
言っておかなきゃいけないことがある。
少しくらい勉強すること。
ガキじゃあるまいし、すぐ拗ねないこと。
それから
僕の墓参りに来るならジェラートを持ってくること。
なんて、本当はどうでもいいことなんだけど。
でも、これだけは聞いてほしい。
僕はもういなくなっちゃうけど
君は変わらず生きていてください。
僕のことは忘れてくれていいから
君は幸せになってください。
これが、僕から君への
最後のわがままだから。
FIN
あなたが生きている事が
あなたが笑っている事が
僕の、何よりの幸せだったんです。
(2004・12・4)