悪夢〜咲〜 

 

神田〜咲〜(青)

 

神田〜咲〜(赤)

※下のイラストのみ、オンマウスで咲いてない神田Ver。

 

 


垢済様が私の見た夢を元に素敵なイラストを書いてくださいました!
まさかあの悪夢がこんな素晴らしいイラストになるとは!
夢はかなり怖かったのですが、垢済様のイラストには思いっきりニンマリさせていただきました(*´▽`*)

一番のポイントは、さり気なくアレンの手に射影機を持たせてある所だと思います( ̄m ̄*)
怯えてる割に戦闘態勢はバッチリなアレンが素敵で仕方ない。
この後、全力で抱きついてくる神田をカメラで撮影し、容赦なくブッ倒すんですね(笑)
きっと神田はアレンの愛で正気に戻ってくれると信じてます!

それにしても、咲いてない神田を見てると、まるで目隠しプレイですよね。
神田「準備は万端だ。さぁ、始めようぜモヤシ」
アレン「・・・本気・・・なんですか?そんな変態プレイ・・・」
みたいな(笑)

はっ !うっかりこんな素敵イラストにこんなアホなセリフを付けてしまった!
すみません!文句はいつでも受け付けます!

では垢済様、素敵なイラストを本当にありがとうございました(*´▽`*)

 

私が見た悪夢(ブログに書いたもの)も一応載せておきます。
ホラーゲーム『零〜月蝕の仮面〜』が元になっているので、一応最後に用語解説も少々。

 

ギィ、と音を立てて扉が開く。
開け放たれた隙間から僅かな明かりが部屋へと差し込んだ。

それでも中はまだ暗闇に包まれていて。
けれど、この部屋の住人が、明かりと呼べるものは全て取り払ってしまった為、それ以上の明かりを取り入れることは出来ない。
奥の壁にあったはずのヒビ割れた窓も、何枚もの分厚い板によって打ち付けられている。

部屋の中央には、こちらに背を向け、椅子に腰掛けたまま動かない影が一つ。
その影に向かって1歩を踏み出そうとした所で、静かな室内に低い声が放たれる。

「何の用だモヤシ」

こちらを見ていないはずなのにピタリと言い当てられ、アレンは思わず出そうとしていた右足を元の位置に戻した。
代わりに、今発せられた質問の答えを返す。

「別に用って程の事じゃありません。・・・ただ、様子を見に来ただけです」

心配だから、という言葉が続かない。
否、続けられなかった。
綺麗な黒髪の上に巻かれた白い包帯が目に留まり、それ以上言葉が出てこなかった。

「ハッ、暇な奴。他にやる事ねぇのかよ」

返ってきた声に、前までの強さは感じられない。
心なしか、言われている内容も前より優しく・・・いや、弱くなっている気さえする。
そんな彼を見ていると、自分に非がなくとも胸が締め付けられる。

「・・・・・・どうして・・・・・・」

やっと搾り出した声は、彼への小さな抗議。
しかし、相手からの返答はない。
動こうともしない背中に、アレンはもどかしさを感じた。

一度だけ深く息をして。
神田の背中に向かって、今度はハッキリと抗議の言葉をかけてみた。

「・・・どうしてこんな事したんですか・・・?」

 

しばしの沈黙が二人の間に流れる。

答えなんて期待していない。
神田が正直に話すとはとても思えなかった。
しかし、アレンは聞かずにはいられなかった。
神田のとった、あの行動の意味を。

 

「・・・・・・見たくねぇんだ・・・・・・」

ポツリと呟かれた声に、落としていた視線を相手の背中へと戻す。
弱弱しいものの、震える訳でもなく、しっかりした口調で神田は言葉を紡ぎ出す。

「もう・・・あの花を見たくなかった・・・。あの幻から逃れたかった・・・」

アレンは、神田のいう『花』が何なのか分からない。
しかし、『逃れたい』という気持ちだけは、その声から痛いほどに伝わってくる。

 

「・・・だから・・・目を・・・・・・潰したんですか・・・?」

アレンの声が震える。
声は返ってこない。

「───ッ神田!!」

堪らず、相手の名を叫ぶ。

どうして!
どうして!
どうして!

答えを聞いてもなお、アレンの中には疑問の言葉しか浮かんでこない。

何故彼は、こんなにも追い詰められるまで何も言ってくれなかったのだろう。
会えば喧嘩ばかりしていた。
けれど、一番自分を分かってくれたのは、他の誰でもない、彼だった。
だからこそ、今度は自分が彼を分かってあげたかったのに・・・。

悔しさで涙が零れる。

しかし神田は、アレンの言葉に答えるでもなく、自らの言葉を続けた。

 

「・・・・・・だが・・・無駄だった・・・」

またもや何の事か分からず、アレンはじっと神田を見つめる。

 

「・・・また・・・あの花が見える・・・」

もう何も見えないはずなのに。
まだ回復だってしていないはずなのに。

 

「神・・・ ───ッ!?」

声をかけようとして、でも、アレンの言葉は途切れた。
同時に、ヒッ、と小さな悲鳴が上がる。

ゆっくりとこちらを振り返る神田の顔を見てしまったから。

 

「 キ  レ  イ  ダ  」

 

そう呟いた神田の顔は、大きく”咲いて”いた──────。

 

 

【用語解説】

▼"咲く"
零4作目に出てくる『月幽病(架空の病気)』の症状の一つ。
顔が崩れて(歪んで)見える事。
咲いた顔の患者を見ると、症状が感染する恐れがある。

 

 

ばっく